芸術性理論研究室:
 
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  >> 前論『懐胎と分娩 2』からの続き。

 

『重さ』と『挙動』によって発生する“ vibration ”は没環境的な無音の営みの中で多様な文脈を構成し、自己感応のヌミノーゼ充足を増大させ、自己介在の狂気をも増長させていく。それは胎芽が胎(児)へと至る成長・メタモルフォーゼにともない乖離関係が主従化され、形容しがたい認識内容を孕み掻き乱していく。前・分娩者が朝に喜び、夜に憂えようと、無関係に事は進行し、励起絶頂が訪れる。ここで胎(児)は言葉なく過ぎ去って行くわけではなく、スタティックな自己直知の最大を終わらせるために、ひとつの起爆を残す。卵膜の破裂である。  >> 次々論『懐胎と分娩 4』へ続く。